Posted by at

2014年11月30日

チョウよ花よと育てられた(大橋直久)

スミス夫妻は1君が当然引き上げるものと決め込んでいた。

しかしウイスキーをガブ飲みし、大いに気炎をあげていた1君は、いっこうにスミス邸を辞する気配がない。

やれ今から自分のアパートへ帰るのは面倒だ、やれもう上と下のまぶたがくっついてしまって目を開いていられないのとこたくを並べ、しかもさっさと勝手知ったる寝室のドアを荒々しく開けて、ダブル・ベッドにダイビングするや、バターン・グーの状態になってしまった。

スミス夫妻は、これにはあきれ果てると同時に1君に対して強い憤りを感じた。

グラスゴーからの女性と1君を同室にするわけにはむろんゆかぬので、この女性はスミス夫人と一緒にこの家の夫婦が使用しているダブル・ベッドにもぐり込んだ。

哀れなスミス氏は、ソファで一晩をあかしたという。

こういう話はすぐに他人の耳に入る。

ロンドン支店長で1君の学校の先輩でもあるMさんは、

「いくら仕事ができても1という奴は失格だ! 奴は六人姉妹の真ん中にたった一人の男児として生まれ、両親をはじめ周囲から、ボクちゃん、ボクちゃんなんぞとチョウよ花よと育てられたもんだから、いくつになっても甘えが消えぬナ、誠にけしからん!!」

と私にこのストーリーを話してくれたものだった。

1君はその後、スミス家へは出入り差し止めとなった由だが、これは当然のことだろう。

大橋直久(ホスピタルマナー)
  
タグ :大橋直久


Posted by 大橋直久 at 01:06大橋直久

2014年11月25日

幸運の女神(大橋直久)

大橋直久

今回の成功は幸運の女神によることが大きかったとしても、すべて運だと片づけるのは、部下を今後大きく伸ばしていくための絶好のチャンスを、みすみす投げ棄てるようなものだ。

プロ野球でも実力的にはとかくの評価があるものの、ふしぎにツイている選手がいる。

監督は勝負どころで彼を起用していく。

そのうちに彼はチームの中で不動の地位を占めるほど実力を身につけていく。

だから「運を実力と思うな」ではなく、「運は実力と思っていい」のである。

部下が成功したとき、心から「おめでとう、頑張ったな」とほめる。

部下が照れながら「いえ、運がよかったんですよ」といったとき、真顔で「運も実力のうちだぞ。

今回の教訓を次に生かしてくれ」と激励することだ。

部下にとって成功の経験は貴重なものだ。

成功の味やリズムは自信につながっていく。

「キミがいい出すのを待っていたよ」

担当者が病気や事故で急に欠勤し、だれか代わりの者がしなければならないことは、職場ではよくあることだ。

大橋直久(ホスピタルマナー)  
タグ :大橋直久


Posted by 大橋直久 at 02:02大橋直久

2014年11月25日

メイン・ベッド・ルーム(大橋直久)

大橋直久


スミス家にはメイン・ベッド・ルームの他にもうひとつ寝室があった。

やがて生まれてくるであろう子供のために若夫婦が確保しておいた部屋で、ここには来客用のダブル・ベッドが収まっていたから、1君はそこで大の字になってゆうゆうと眠ることができた。

そのうち訪問の回数も週一回が二回、三回となり、しかも1君はその都度必ずスミス家に泊まるようになっていった。

でも人の良いスミス夫婦は、そのことをとり立ててとがめるふうでもなかったらしい。

ある日、例によって、会社帰りに夫のスミス氏が1君を伴って帰宅すると、ミセス・スミスのガール・フレンドが遊びに来ていた。

この女性は久しぶりにグラスゴーからロンドンにやってきたとのことで、その夜は話に花が咲き、気が付いてみると時計は夜中の一時をすでに過ぎていた。

ミセス・スミスの勧めで、件の女性はスミス家に一晩厄介になることとなった。

大橋直久(ホスピタルマナー)
  
タグ :大橋直久


Posted by 大橋直久 at 01:07大橋直久

2014年11月20日

実力のあるサラリーマン(大橋直久)

大橋直久

彼のアジトに警官や新聞記者と一緒に飛び込んだ時、最初はシラを切っていた舟坂だが、証拠をつきつけられ逃れられぬと悟った彼は龍雄の顔を凝視した。

彼は低くうなっていった。

「よくやった。よくここまで調べたな」

これで龍雄の長い間の血の出るような苦労は、大団円を迎えるのであった。

ここからいえることは、ツキ(運)も実力のうちなのである。

実力のあるサラリーマンほど、自分の成功は運によってもたらされたと思うようだが、実力があるからこそ運を招き寄せたといえるのである。

実力がなければ目の前を姿、形もなく静かに通りすぎる運をつかみとることができないようだ。

部下の担当する仕事が、非常にラッキーな要素が積み重なって成功したとしよう。

こういうとき、上司はこの部下に対してどういう態度をとるだろうか。

狂喜する部下を横目に見ながら、「オイ、オイ、今度の成功はおまえの力だと思うなよ」「たまたまキミは運がよかっただけだ。

自分の力だとうぬぼれるな」と一本釘を差したくなるのではないか。

大橋直久(ホスピタルマナー)
  
タグ :大橋直久


Posted by 大橋直久 at 00:03大橋直久

2014年11月10日

買い換える予定がない(大橋直久)

大橋直久

高度経済成長期のバブル時代は終わった。

最近、住宅産業界にも不況の風が吹いている。

とはいえ、マイホームを求める人が減ったわけではない。

人々は、いぜんとして自分の家を求めている。

逆説的のようだが、だが、むしろ高いものほど衝動買いも必要なのではないだろうか。

要は、セールスマンがリーダーシップを取りながら、お客様と面談すべきである。

自然のままでは発芽が遅いのなら、温室を使う方法だってある。

つまり引例法で、相手を刺激するのだ。

「さようですか。

N社は体系的な社員教育プログラムを採用して以来、販売成績も三〇パーセントほどアップしたそうです。

とくにテレビ電話会議によって、地方支店の店員さんたちが東京の本店と同時に同じ教育プログラムを受講できたのがよかったと申されていました……」

大橋直久(ホスピタルマナー)
  
タグ :大橋直久


Posted by 大橋直久 at 00:15大橋直久

2014年11月05日

よくやった(大橋直久)

大橋直久

一番短くてズバリ切り出すほめコトバは、「よくやった」である。

作業のでき映え、目標達成への努力、販売成績の向上、アイディアの提案、苦情の処理、難しい顧客の説得など、部下がしたことをズバリ一言で、「よくやった」。

このコトバで部下は今までの苦労が一気に吹っ飛んでしまうものだ。

ところが上司のなかには、こういう簡単な一言でも口に出せない人がいる。

照れくさいという面もあるが、ほめたことで増長する、図に乗るという懸念があるからだろうが、認められる側にとってはやはりほめられたいのである。

図に乗るかどうかはほめコトバのあとでコントロールすればよい。

上司と部下の関係ではないが、松本清張氏の小説『眼の壁』にこんな場面がある。

一介のサラリーマン萩崎龍雄が、手形のパクリ詐欺にあって自殺した上司の仇をとるために苦心惨憺して犯人(右翼の巨頭、舟坂英明)を追いつめていった。

大橋直久(ホスピタルマナー)  
タグ :大橋直久


Posted by 大橋直久 at 01:02大橋直久

2014年11月05日

ニーズを認めた積極性(大橋直久)

大橋直久

時期尚早という言葉自体は、ニーズを認めた積極性を含んでいる。

二ーズは販売の種である。

種が芽を出し、販売という実を実らせる。

お客様がばくぜんといっていることに対して、一方通行でも、一つ二つ突っ込んだ質問をしてみることだ。

そして、返答に躊躇しているのを見て、一気に積極的な考え方を述べ、お客様の優柔不断さをつき崩すことが望ましい。

いざ買うとなると最終決断に迷ってしまうのが、一般的な顧客心理である。

そういうときは、セールスマンが決断のヒントを与え、きっかけをつくってあげるべきである。

それには文字通り、注意↓興味↓欲望↓記憶↓行動↓満足の販売ステップ順にお客様に道をしいてあげるのだ。

個人も企業も必要な機材や手段をあらかじめ揃えてから発展し、大きくなっていく。

ランドセルを揃えてから小学生になるのであって、小学生になってからランドセルを揃えるのでは遅いのである。

商品の価格が高いと、ついお客様は買い控える。

大橋直久(ホスピタルマナー)

  
タグ :大橋直久


Posted by 大橋直久 at 00:02大橋直久