ヨーロッパ中の教養人(大橋直久)

大橋直久

2014年06月13日 01:03

ヨーロッパ中の教養人は、こぞってフランスの思想家や文学者の作品を読みふけり、自分達も作品をフランス語で発表する有様。

ドイツ文学の巨匠ゲーテでさえ、若い頃には、自分の作品をドイッ語で書くべきかフランス語で書くべきか、まよったほどだという(『18世紀パリの明暗』新潮社、本城靖久)。

不思議なものでイタリア経済が最近復興してくると(七、八年前は国家経済が危機に瀕していると言われたが、87年の国内総生産は前年比二・九%増の九八二兆五九五〇億リラ約九八兆二六〇〇億円と、英国を抜いてフランスに迫る勢い)、それにつれ、デザインを始めとしてイタリアの文化が注目を浴びるようになった。

最近の韓国ブームもオリンピックの成功だけでなく、経済の勢いが大いに関係しているようだ。

その意味でゆけば、今の日本ほどフトコロ具合の良い国は世界中にないのだから、日本の文化が注目を浴び、それにつれ、日本人の美的感覚が評価されるのは、全く自然のなりゆきといってよいだろう。

大橋直久(ホスピタルマナー)

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