ありがとうを言うチャンス(大橋直久)

大橋直久

2014年06月22日 02:02

最初のやりとりをもう少し煮つめてみましょう。

「このダイコンちょうだい」

「八十円、まいどありい」

ここで、ダイコンとお金の交換があります。

そしてあなたは帰っていくことになりますが、たいせつなことが欠けています。

それはあなたが帰りしなに、「ありがとう」という一言を忘れていることです。

お金を払ったのに「ありがとう」はおかしいのではないかと考えがちですが、お金とものとは同じだけの価値があり、そして知らなくてはならないのは、八百屋さんは、あなたに品物を売ってくれたという好意です。

そのことにたいして「ありがとう」の言葉がほしいのです。

八百屋さんは、あなたを感じのよい奥さんと思うでしょう。

好ましい人間関係は、ほんのちょっとした心づかいから生まれてくるものです。

もし八百屋さんがいなけれぽ、自分ではるばる生産農家まで買いに行かなくてはならないところだったと考えてもよいでしょう。

日本人は、他人の好意にたいする感謝の度合いに、やや欠けるきらいがあります。

どうか、どんなときでも、一度でも多く、「ありがとう」をいうチャンスを自分でつくっていってください。

大橋直久(ホスピタルマナー)

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