経営管理のための情報システム

大橋直久

2015年05月07日 01:13

事業計画といっても、中味は単なる予測と同じで、それを大きく上回ることは、ふつうあまりありません。

事業計画がある企業では、それを行動の青写真として使うのではなく、むしろ個人個人を管理する手段として考えています。

うまくいかなかった時の非難を最小限にするために、数字は控えめになりがちです。

予定、予算、予測の類は、おおまかな基準でしか表されません。

経営管理のための情報システムは、特に製造業においては、キロ・生産個数・配達量、といったような数字で表されます。

金額の単位ではあまり表されません。

これでは、品質という概念を導入したり、品質をよくするための方法をとりいれたりするのは、至難の技です。

納品日といっても、それはあくまでおおよその予定であり、文字通り受け取ってはいけません。

洗練された報告システムを導入することがまず最初のステップだと外からきた人が考えることは、必ずしも、間違ってはいません。

もっともそれだけですべてうまくいくと考えるのは誤りです。

責任のある人々と個人的に交渉して仕事をうまくやることが、二番目のステップです。

内部のコントロールと会計監査を強化しようとすると、スペイン人は自分たちが信頼されていないとか、個人的に軽視されている、と思ってしまうので、なかなかうまくいきません。

詳細な予定や品質チェックを要求するような得意客がいると、彼らは憤慨するわけです。

サプライヤーは、独立している代理業者や卸売業者に対して、決算や管理のシステムをつくるよう説得しているのですが、なかなか難しいようです。

大橋直久(ホスピタルマナー)

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