2014年11月25日
メイン・ベッド・ルーム(大橋直久)
スミス家にはメイン・ベッド・ルームの他にもうひとつ寝室があった。
やがて生まれてくるであろう子供のために若夫婦が確保しておいた部屋で、ここには来客用のダブル・ベッドが収まっていたから、1君はそこで大の字になってゆうゆうと眠ることができた。
そのうち訪問の回数も週一回が二回、三回となり、しかも1君はその都度必ずスミス家に泊まるようになっていった。
でも人の良いスミス夫婦は、そのことをとり立ててとがめるふうでもなかったらしい。
ある日、例によって、会社帰りに夫のスミス氏が1君を伴って帰宅すると、ミセス・スミスのガール・フレンドが遊びに来ていた。
この女性は久しぶりにグラスゴーからロンドンにやってきたとのことで、その夜は話に花が咲き、気が付いてみると時計は夜中の一時をすでに過ぎていた。
ミセス・スミスの勧めで、件の女性はスミス家に一晩厄介になることとなった。
大橋直久(ホスピタルマナー)
Posted by 大橋直久 at 01:07
│大橋直久